賽の河原で虚無を積む

社会不適合者の戯言です

ゴジラ キングオブモンスターズ(2019)

 Netflixで配信が始まっていたので見てみました。過去作はゴジラもコングも視聴済みです。モンスターバースの3作品目と言うことでギャレゴジの直接の続編になります。ギャレゴジは普通に面白かったのと、父親が面白かったと言っていたので期待値60%くらいでみました。

 話の大筋としてはゴジラvsギドラと人間とゴジラの共生をゴジラによって息子を失った家族を通して描く、と言った感じです。ネットの評価を見ると家族関係とかどうでもいいから怪獣にもっと戦わせろ!みたいな意見があったみたいですが、別に話の流れを歪ませてまで人間が幅を利かせているわけでもなく、そもそもゴジラと人間の共生を描いている時点で半分は人間の話になるのはさもありなんという印象でした。

 目覚めたギドラに対してゴジラは戦いを挑むものの軍部が強行利用したオキシジェンデストロイヤーの影響でゴジラは大ダメージを受け、それをギドラはものともしないという場面があるんですが、キングギドラが元々金星の文明を滅ぼしてからやってきた外宇宙の存在という設定を引き継いでいることはいいなと思いつつも、オキシジェンデストロイヤーがそもそも兵器利用されないようにと初代ゴジラにおいて芹沢博士が自らの命と共に秘密を守ったと言う背景があるのに平然とミサイルとして利用されているところに若干の悲しさを覚えました。まあ別に初代ゴジラから地続きの世界ではないから良いんですが。

 また、最終的にキングギドラゴジラは外宇宙から来訪した侵略者であるギドラVS地球の守護者であるゴジラという対比になります。その中でゴジラたち地球の怪獣は人間が破壊した地球環境を修復する方向に持っていく力があるという話があるんですが、対してギドラは街の中の送電設備から力を得るシーンがあるんですね。電気というのは人間が自然を支配下に置いて制御しているものの象徴とも言えるわけで、そこからパワーアップするというのは何とも示唆的だなと思いました。

 最後の対決はそれなりに迫力があり、双方一回負けかけてからのパワーアップで最終的に最後に切り札を切ったゴジラが勝つというある種お決まりの展開ではありましたが予定調和万歳って感じですね。最後は切断されたギドラの首だけまた悪人の手に渡ったりしていたので、次回作以降で復活してくるんでしょうか。メカギドラを久しぶりに見たい気持ちはありますね。何はともあれ来年公開らしいゴジラvsコングに期待。