賽の河原で虚無を積む

社会不適合者の戯言です

ゴジラ(1954)

 キングオブモンスターズで初代オマージュが多かったのと見たことがないと気づいたので見てみました。

 まずは作品の感想から。モノクロ映画ではあるものの古臭さを感じさせない作品でした。ただのパニック映画で終わらず、ゴジラを生物として見る動きもあるなどシリーズの基礎はしっかりと詰まっていました。まだcgなどない時代の作品ですからミニチュアと着ぐるみの操演での撮影になるわけで、空撮などはほぼなく逆に足元からゴジラを描くシーンが多いのが印象的でした。東京の街並みもまだ高さが低いことから人々一人一人がゴジラと同じシーンに写っていても違和感がなくみられました。これは現在ではなかなか見られないシーンですね。(実際ファイナルウォーズでは人々と絡むのはミニラであったように記憶しています)有名なゴジラテレビ塔に迫るシーンも今だとゴジラのサイズになかなか合わせられないですし。また、音楽やセリフがなく静かなシーンが多いのも印象的でした。

 昭和ゴジラ1作目ということで比較するなら平成ゴジラ1作目またはシン・ゴジラとの比較になるんだと思いますが、平成ゴジラはまだ見ていないのでシン・ゴジラとの比較を。シン・ゴジラは現代の日本の世相をうまく反映させた作品であり、多くの人々の動きなども描かれていましたがこちらは基本的に数名の登場人物が中心となって物語が展開するのが対照的でした。最後も日本全体が一丸となってゴジラという災害を止めるのではなくゴジラに立ち向かうのはあくまで主人公と芹沢博士のみで他の人々は見守るのみでした。どちらも面白いのは事実ですが、果たして未来の人が見た時にどう思うのでしょうか。

 とりあえず1作目を鑑賞したので、平成ゴジラゴジラの逆襲なんかも見てみたいですね。